よくある質問
遺産分割について
遺産分割協議に応じない相続人がいる場合はどうすればよいですか?
相続人の中には、連絡が取れない人や、あるいは連絡が取れたとしても、遺産分割協議に応じてもらえない人がいるということがしばしばあります。 この場合、弁護士が代理人となることによって、協議に応じてもらえることもありますが、どうしても任意の協議に応じてもらえないという場合には、家庭裁判所における遺産分割調停・審判の手続きをとることが考えられます。
寄与分とは何ですか?
共同相続人中に、被相続人の財産の維持または増加に特別の寄与をした者があるときに、相続財産から一定割合または金額を控除して、寄与した相続人が相続分に加算してこれを受け取る制度です。寄与した相続人に対して、相続分を修正することによってその相続人の取得する財産を増加させることになります。 ただし、被相続人と相続人の身分関係に基づいて通常期待されるような程度を超える貢献(特別の寄与)である必要があります。
遺留分減殺について
遺留分減殺請求には期限がありますか。
遺留分減殺請求ができる期間は、民法1042条によって次のとおり定められています。
(1)時効
遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは、時効によって消滅する。
(2)除斥期間
相続開始の時から10年を経過したときも、同様とする。
遺留分の減殺は、一度行なわれた財産の移転について、その効果を失わせるものですから、取引の安全を害するおそれがあります。そこで民法は、1年という短期間でその権利が消滅すると定めています。
遺言について
一度書いた遺言を撤回できますか?
遺言者は、生存中いつでも、自由に遺言の全部又は一部を撤回することができます(民法1022条)。また、遺言を撤回する権利は、放棄することができないとされています(民法1026条)。
遺言書(自筆証書遺言)が自宅から見つかりました。どうすればよいですか?
遺言書が見つかった場合、保管者又はこれを発見した相続人は、遺言者の死亡を知った後、遅滞なく遺言書を家庭裁判所に提出して、その「検認」を請求しなければなりません。
(民法第1004条1項)。「検認」とは遺言書の現状を確認・保全し、偽造・変造を防止する手続きです。したがって、検認を行ったからといって遺言の内容が有効と確定するわけではなく、また検認を行っていないからといって、遺言が無効と確定するわけでもありません。
封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができないことになっています(民法第1004条3項)。ただし、公正証書遺言の場合、検認の手続は必要ありません(民法第1004条2項)。